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16- D- 0494 2016 年 9 月 13 日
株式会社日本格付研究所(J C R)は、以下のとおり信用格付の結果を公表します。
外国為替証拠金取引(
F X )
業者の
格付見直し
結果
発行体 証券コード 長期発行体格付 見通し
セントラル短資 F X 株式会社 − 【据置】 BBB 安定的
発行体 証券コード 短期発行体格付
株式会社マネーパートナーズ
グループ
8732 【据置】 J - 3
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格付の
視点
1.格付見直しの概要
外国為替証拠金取引(F X 取引)を専業とする外国為替証拠金取引業者(F X 業者)2社(セントラル短資 F X 、 マネーパートナーズグループ、以下格付公表先 2社)の格付を見直し、それぞれ据え置いた。2社のいずれにつ いても、一定の事業基盤、健全な資産内容と財務基盤が格付を支える要素となっている一方、市況産業という性 格と厳しい競合環境が収益の変動性を高めていること、システムにかかるオペレーショナルリスクが存在するこ となどが、格付を制約している。
2.足元の市場動向・業者動向
16/ 3 期の店頭 F X 取引高は、上期における中国経済の減速懸念に伴う株価下落、下期における日銀のマイナ ス金利政策導入などにより年間を通じて為替のボラティリティが拡大したことを背景に、前期に引き続き過去最 高となり、5, 000 兆円を上回った。これを受けて格付公表先 2 社の 16/ 3 期の純営業収益は堅調に推移した。
1 取引通貨当りの利益率への低下圧力は消えていない。これまで新興業者が低スプレッドで顧客数、取引高を 伸ばす中、格付公表先2 社を含む既存の業者も、顧客基盤維持のためスプレッド縮小による対抗をここ数年余儀 なくされてきた。最近では新興大手業者の一部にスプレッド拡大の動きがみられ、業者間の競争に落ち着きの兆 候もうかがえる。しかし、他方ではスプレッドの縮小に踏み切る業者も散見され、価格競争の収束が見通せる状 況とはまだ言えない。また、顧客獲得のための広告宣伝費、安定した取引維持のためのシステムコストが相応に 必要であることも、F X 業者の損益を圧迫している。なお、業界全体ではリスクヘッジのために行う反対取引(カ バー取引)のコストが上昇していることも収益の押し下げ要因であるが、格付公表先 2 社においてはその影響は さほど大きくないと J C R はみている。また、F X 取引に係る規制改革は一段落しており、規制動向を巡る不透明 感は見受けられない。法人取引におけるレバレッジ規制が導入されるもようであるが、こちらも収益の大幅減少 にはつながらないとみられる。
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われているもようである。格付公表先2 社についてはこのようなカバー先の取引条件の見直しの影響は顕在化し ていないと J C R はみているものの、今後の動向に注目していく。
また、F X 業者は、新商品・新サービスの導入により新たな投資家層・投資ニーズの掘り起こしや、カバー取 引の最適化に努めている。ただ、カバー取引の最適化の追求には為替リスクが伴うため、適切なリスク管理体制 が構築、運用されているかどうかに引き続き注目していく。
3.市況産業としての性格
F X 業者については、市況産業という性格と厳しい競合環境が、収益の変動性を高めるものとして格付を制約 する要素となっている。ある程度コンスタントに取引する投資家もみられるとはいえ、F X の取引高は、総じて 為替相場の水準やボラティリティに左右されやすい。また、年々減少傾向にはあるものの依然として業者数が多 く、新規参入も容易でかつもともと商品・サービスの差別化が難しいことから、スプレッド縮小競争が生じやす い。F X 投資家のスプレッドへの感応度は高く、取引高でみた業界内シェアの大きな変動が今後も起こりうるこ とを格付には織り込む必要がある。
4.リスク管理
為替リスクや顧客の信用リスクは、格付公表先 2 社のいずれにおいても抑制されており、これらのリスクに由 来する費用が利益を圧迫する懸念は小さいと考えられる。為替リスクは、顧客注文を受けてカバー取引を行う仕 組みをとることで抑制している。複数の金融機関とラインを接続することによって、安定的なカバー取引を可能 にしている。顧客の注文動向によっては自己ポジションを形成するが、ディーラーごとにポジション限度を設定 したり一定時間ごとのポジション解消を義務付けたりするなどして、リスクを抑制している。資本対比の為替リ スク量は非常に限定的である。もっとも最近は収益確保のためカバー取引の効率化を目指す中で、従来よりもポ ジションの形成を一定の範囲内ながら積極的に許容する動きが一部にみられる。現状では、ポジションは社内で 設定された限度内で管理され、目立った損失はこれまで発生していないが、収益を追求する中で引き続き適切な リスク管理が維持できるか注視していく必要がある。
顧客の信用リスクについては、マージンコールや強制ロスカット方式を採用することで抑制されており、顧客 からの預り証拠金を大きく超えるような貸倒損失は発生していない。たとえば、16年 6月の Brexit の際には、 多額の貸倒損失発生のリスクがあったものの、格付公表先2 社については顧客へのリスク周知などに努めた結果、 損失発生はきわめて少なかった。
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各社の
格付事由
セントラル短資 F X
【据置】
長期発行体格付 BBB 格付の見通し 安定的
預り証拠金残高などでみた事業基盤は業界で上位クラス。資本水準も比較的高い。取引回数が少ない顧客が比 較的多く、口座数や証拠金残高の割には取引高が少ない。BtoB 取引やカバー取引システムの最適化の追求など によりこれまで黒字を維持してきた。16/ 3 期においては取引高は減少したものの、強みをもつ新興国通貨にか かるスワップ取引収益が前期に続き好調で増収増益となった。コスト構造改革も実行に移され、利益を下支えし ている。一方、13 年にサービスを開始したシステムトレードやインターバンク直結型商品は顧客層や取引数量 の拡大に結びついているものの、マーケットの流動性が落ちていることもあって収益への貢献は限定的なものに とどまっている。最近では BtoB 向けの新しい顧客取引仲介型のプラットフォームの提供を始めた。開始早々の ため、成果はまだ大きく出ていないが、J C R では推移を見守っていく。当社はセントラル短資グループに属して おり、親会社であるセントラル短資(長期発行体格付「A - / 安定的」)との結びつきが、格付に強く織り込まれて いる。収益動向に加え、親会社から見た当社の位置づけが引き続き格付上の重要なポイントとなる。
マネーパートナーズグループ
【据置】
短期発行体格付 J−3
独立系の持株会社であり、F X 取引は中核子会社であるマネーパートナーズ(MP)が手掛ける。連結ベースで は、MP の資産が大宗を占め、MP との収益連動性もきわめて高いことから、当社の格付には業界トップクラス の事業基盤を有する MP の信用力を強く反映させている。MP では、カバー取引手法の改善による取引当たりの 収益性改善などによって市況悪化に対する損益耐性が向上している。業績が市況に左右されやすい業態でありな がら、16/ 3 期はグループベースで営業利益と最終利益がともに 3 期連続で増益となった。グループ連結ベース の資本水準も良好である。現在は、F X 口座から外貨で口座入金できるカードの発行や外貨両替など、外為の実 需に関連するサービスを強化している。また、ビットコインのサービス提供に向けた準備を進めている。新サー ビスの利益への寄与度はまだ小さいものの、注力するカードの申込数は順調に増加し、手数料収入も増えている もようである。収益力が上向きつつある中で、このモメンタムを維持していけるか、J C R は注目していく。
(担当)炭谷 健志・松澤 弘太
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格付対象
発行体:セントラル短資 F X 株式会社 【据置】
対象 格付 見通し
長期発行体格付 BBB 安定的
発行体:株式会社マネーパートナーズグループ 【据置】
対象 格付
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格付提供方針に基づくその他開示事項
1. 信用格付を付与した年月日:2016 年 9 月 8 日
2. 信用格付の付与について代表して責任を有する者:松村 省三
主任格付アナリスト:炭谷 健志
3. 評価の前提・等級基準:
評価の前提および等級基準は、J C R のホームページ(http:/ / www. jcr. co. jp)の「格付方針等」に「信用格付の種類
と記号の定義」(2014 年 1 月 6 日)として掲載している。
4. 信用格付の付与にかかる方法の概要:
本 件 信 用 格 付の 付 与 にか か る方 法 の 概 要 は、 J C R の ホ ー ムペ ー ジ ( http:/ / www. jcr. co. jp) の 「 格 付 方針 等 」 に 、
「コーポレート等の信用格付方法」(2014 年 11 月 7 日)、「持株会社の格付方法」(2015 年 1 月 26 日)として掲載し
ている。
5. 格付関係者:
(発行体・債務者等) セントラル短資 F X株式会社
株式会社マネーパートナーズグループ
6. 本件信用格付の前提・意義・限界:
本件信用格付は、格付対象となる債務について約定通り履行される確実性の程度を等級をもって示すものである。
本件信用格付は、債務履行の確実性の程度に関しての J C R の現時点での総合的な意見の表明であり、当該確実性
の程度を完全に表示しているものではない。また、本件信用格付は、デフォルト率や損失の程度を予想するもので
はない。本件信用格付の評価の対象には、価格変動リスクや市場流動性リスクなど、債務履行の確実性の程度以外
の事項は含まれない。
本件信用格付は、格付対象の発行体の業績、規制などを含む業界環境などの変化に伴い見直され、変動する。ま
た、本件信用格付の付与にあたり利用した情報は、J C R が格付対象の発行体および正確で信頼すべき情報源から入
手したものであるが、当該情報には、人為的、機械的またはその他の理由により誤りが存在する可能性がある。
7. 本件信用格付に利用した主要な情報の概要および提供者:
・ 格付関係者が提供した監査済財務諸表
・ 格付関係者が提供した業績、経営方針などに関する資料および説明
8. 利用した主要な情報の品質を確保するために講じられた措置の概要:
J C R は、信用格付の審査の基礎をなす情報の品質確保についての方針を定めている。本件信用格付においては、
独立監査人による監査、発行体もしくは中立的な機関による対外公表、または担当格付アナリストによる検証など、
当該方針が求める要件を満たした情報を、審査の基礎をなす情報として利用した。
9. J C R に対して直近 1 年以内に講じられた監督上の措置:なし
■留意事項
本文書に記載された情報は、J C Rが、発行体および正確で信頼すべき情報源から入手したものです。ただし、当該情報には、人為的、機械的、また
はその他の事由による誤りが存在する可能性があります。したがって、J C Rは、明示的であると黙示的であるとを問わず、当該情報の正確性、結果、
的確性、適時性、完全性、市場性、特定の目的への適合性について、一切表明保証するものではなく、また、J C Rは、当該情報の誤り、遺漏、また
は当該情報を使用した結果について、一切責任を負いません。J C R は、いかなる状況においても、当該情報のあらゆる使用から生じうる、機会損失、
金銭的損失を含むあらゆる種類の、特別損害、間接損害、付随的損害、派生的損害について、契約責任、不法行為責任、無過失責任その他責任原因
のいかんを問わず、また、当該損害が予見可能であると予見不可能であるとを問わず、一切責任を負いません。また、J C Rの格付は意見の表明であ
って、事実の表明ではなく、信用リスクの判断や個別の債券、コマーシャルペーパー等の購入、売却、保有の意思決定に関して何らの推奨をするも
のでもありません。J C Rの格付は、情報の変更、情報の不足その他の事由により変更、中断、または撤回されることがあります。格付は原則として
発行体より手数料をいただいて行っております。J C Rの格付データを含め、本文書に係る一切の権利は、J C Rが保有しています。J C Rの格付データ
を含め、本文書の一部または全部を問わず、J C R に無断で複製、翻案、改変等をすることは禁じられています。
■NR S R O 登録状況
J C R は、米国証券取引委員会の定める NRSRO(Nationally Recognized Statistical Rating O rganization)の 5 つの信用格付クラスのうち、以下の 4 クラ
スに登録しています。(1)金融機関、ブローカー・ディーラー、(2)保険会社、(3)一般事業法人、(4)政府・地方自治体。米国証券取引委員会規則
17g-7(a)項に基づく開示の対象となる場合、当該開示はJ C Rのホームページの“ Rating Information” (http: / / www. jcr. co. jp/ english/ top_cont/ rat_info01. php)
に掲載されるニュースリリースに添付しています。
■ 本件に関するお問い合わせ先
情報サービス部 T E L :03- 3544- 7013 F A X :03- 3544- 7026